名作速読朗読文庫vol.218坂口安吾全集5-読上機能付き

坂口 安吾は、日本の小説家、評論家、随筆家である　　坂口安吾の文学作品の作風は独特の不思議な魅力があり、稀有な作家です

名作速読朗読文庫vol.218坂口安吾全集5PRO版-読上機能付き

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坂口 安吾は、日本の小説家、評論家、随筆家である　　坂口安吾の文学作品の作風は独特の不思議な魅力があり、稀有な作家です　　本名は坂口 炳五。昭和の戦前・戦後にかけて活躍した近現代日本文学を代表する作家の一人である。　新潟県新潟市出身。　戦前は『風博士』で文壇に注目され、終戦直後に発表した『堕落論』『白痴』により時代の寵児となり、無頼派・新戯作派と呼ばれる作家の一人として地歩を築いた。歴史小説では黒田如水を主人公とした『二流の人』、推理小説では『不連続殺人事件』が注目された

本文内容見本

左近の怒り

坂口安吾

　　　　　　左近の上京　　　

　夏川　左近《さこん》は久方ぶりで上京のついで古本あさりに神田へでた。そのときふと思いだしたのは大竜《だいりゅう》出版社のことだ。終戦後の数年間、左近は密輸船に乗りこんでいた。荒天《しけ》つづきのつれづれに、そのころの記録をつづり「密輸船」という題をつけて大竜出版社へ送ったままになっている。かれこれ一年ぐらい前のことである。むろん原稿を送りこんでいきなり本にしてもらえると思ってもいないが、ちょうど神田へでたついでだから冷やかし半分に大竜出版社を訪ねる気持になったのである。

　小さな店構えだ。誰もいない。大声で案内を乞うと、漫画の中の小僧のようなのが奥からチョロチョロとでてきた。

「なんの御用？」

「ボクは一年ほど前に密輸船という原稿を送っておいた夏川左近という漁師ですが、社長か誰かに会えませんか」

名作速読朗読文庫vol. 218 Professional版　坂口安吾全集5

VOL 巻数 作者 　　　　　　TITLE 　　　　　　カテゴリー 　　　文字数 文字量

218 1 坂口 安吾 「刺青殺人事件」を評す　　　　　　　　 随筆 3557 中

218 2 坂口 安吾 碁にも名人戦つくれ　　　　　　　　 随筆 1040 小

218 3 坂口 安吾 小林さんと私のツキアイ　　　　　　　　 随筆 1876 小

218 4 坂口 安吾 娯楽奉仕の心構へ　　　　 随筆 5848 中

218 5 坂口 安吾 ゴルフと「悪い仲間」　　　　　　　　 随筆 1723 小

218 6 坂口 安吾 左近の怒り　　　　　　　　 物語 47306 大

218 7 坂口 安吾 志賀直哉に文学の問題はない　　　　　　　　 随筆 1670 小

218 8 坂口 安吾 思想と文学　　　　　　　　 随筆 1036 小

218 9 坂口 安吾 死と影　　　　　　　　 物語 5149 中

218 10 坂口 安吾 邪教問答　　　　　　　　 随筆 1404 小

218 11 坂口 安吾 正午の殺人　　　　　　　　 物語 13800 大

218 12 坂口 安吾 神経衰弱的野球美学論　　　　　　　　 随筆 3693 中

218 13 坂口 安吾 新春・日本の空を飛ぶ　　　　　　　　 随筆 2138 小

218 14 坂口 安吾 人生案内　　　　　　　　 随筆 10137 大

218 15 坂口 安吾 人生三つの愉しみ　　　　　　　　 随筆 7956 大

218 16 坂口 安吾 真相かくの如し　　　　　　　　 随筆 572 小

218 17 坂口 安吾 深夜は睡るに限ること　　　　　　　　 随筆 1861 小

218 18 坂口 安吾 心霊殺人事件　　　　　　　　 物語 25369 大

218 19 坂口 安吾 推理小説について　　　　　　　　 随筆 5149 中

218 20 坂口 安吾 推理小説論　　　　　　　　 随筆 7370 大

218 21 坂口 安吾 砂をかむ　　　　　　　　 随筆 1029 小

218 22 坂口 安吾 スポーツ・文学・政治　　　　　　　　 随筆 6578 大

218 23 坂口 安吾 精神病覚え書　　　　　　　　 物語 9003 大

*作品数/　　23点 文字数合計 165264

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